点火コイルの性能を測定できる 唯一のテストベンチ
機能
・コイル能力ベンチテスト
・点火コイル単体テスト対応
・イグナイター内蔵コイル対応
・絶対最大ドエルタイム・電流・コイルパワーTM
・ドエルタイム指定最大電流・コイルパワーTM
利用用途
・ECU設定ドエルタイム調査
・点火コイルの能力比較
・点火系チューニング
・ワンメイクレース・エコラン
・コイル選択・性能測定・劣化判定
・コイル・イグナイター動作テスト
・点火コイルの開発・改造
製品概要
点火コイル(イグニッションコイル)は、感や評判だけで選ばれていました。
・コイルベンチマークは点火コイルに様々な試験を自動で行い、の能力(ドエルタイム、電流、コイルパワーTM)を数値で表します。
・ドエルタイムを固定しての点火コイル能力計測も可能です。
・イグナイターを内蔵のため、「コイル単体のテスト」や、最近の「イグナイター内蔵型コイルのテスト」も一台でこなします。
・点火コイルはドエルタイムが短いと能力を発揮せず、限度を超えると焼損します。
絶対最大テストは限界性能を計測し、安全で高出力な点火コイル選択と、最適なドエルタイム設定を可能にします。
・点火コイルは一般的に±20%と大きな個体差があり、エンジンのアタリ・ハズレの原因の一つです。
コイルベンチマークは同条件で電流やコイルパワーを比較できます。同品番でも優秀なコイル選別を可能にします。
・テスト時、点火コイルの”ふるまい”を詳細に監視します。
コイル導線の劣化、接触不良。断線、内蔵イグナイターの動作も同時に検査されます。
・エンジンやECUに合ったコイル選択やドエル設定で安全で大幅なパワーアップ、ワンメイクやエコランでは圧倒的な優位をもたらします。
また、熱や経年変化による点火コイルの劣化や故障の判断も可能です。
・コイルベンチマークは、コイルメーカーが複数の計測機器を使用して行う試験を、一台で簡単に行う目的で開発されました。
絶対最大テスト
コイルの限界性能を計測します。(主にドエルタイム設定の目安などに使用します)
● ADT. (Absolute Dwell Time) 絶対最大ドエルタイム
現在の電源電圧での限界ドエルタイムです。
この値以上は発熱も極端に増えるため、充分な余裕を持たせてドエルタイムを設定してください。
● ACC. (Absolute Coil Current) 絶対最大ドエル電流
現在の電圧でコイルに流れる最大電流です。
テスターでコイル抵抗を計るのと違い、動作状態でのアクティブ抵抗値を調べることができます。
またイグナイター内蔵型コイルでも、イグナイターの内部抵抗も含めた抵抗値を得ることができます。
● ACP. (Absolute Coil Power) 最大コイルパワーTM
点火コイルの限界のエネルギー量で、コイルの最大能力を表します。
この数値が多いほど、コイルの総合エネルギー蓄積能力が大きいことを表します。
固定ドエルタイムテスト
ドエルタイムを固定してコイル性能を計測します。(主にコイル性能の比較に使用します)
● SDT. (Setting Dwell Time) 設定ドエルタイム値
テストするドエルタイム値です。
● ECC. (End Coil Current) 設定ドエルタイム終了時のコイル電流
設定したドエルタイム終了時(通電終了時)の電流量です。
実際に車両搭載時の電流で、この値に余裕を持たせた配線やイグナイターが必要になります。
● RCP. (Real Coil Power) 設定ドエルタイムでのコイルパワーTM
設定したドエルタイムでのコイルエネルギー量です。
数値が大きいほど、コイルのエネルギー量が大きいことを表します。
複数のコイルをテストして最も数値の大きい物を選ぶと、最良の結果を引き出すことができます。
イグニッションコイル単体計測の例
NBロードスターは2つの点火コイルがあり、その比較テストを行った結果です。
電源電圧(コイル電圧) DC12V、コイルベンチマーク内蔵イグナイター使用
絶対最大テスト
右側のコイルは左側に比べてドエルタイムは長く、電流は少なく、コイルパワーは大きいことがわかります。
12Vでは、ドエルタイム14.5ms以下にしなければなりません。
(詳細な画像は、最下部にあります)
ドエルタイム固定テスト
ドエルタイム 6ms 固定で比較した場合、左側 19917 に対し、右側 21230です。
21230 ÷ 19917 から、同一車両のコイルでも約6.5%ものパワー差があります。
また、ドエルタイムが6msなら電流は約6.5Aで、配線やイグナイター容量の判断基準となります。
(詳細な画像は、最下部にあります)
イグナイター内蔵点火コイルの例
この点火コイルは小容量で、最大ドエルタイムを 約3ms以上にできません。
このコイルをRB等のエンジンで使用すると焼損する危険があります。 コイルパワー 13236 と、NBイグニッションコイルの 約1/7 の容量です。
短いドエルタイム用に導線の巻数を少なくした点火コイルです。流用の難しいコイルですが、ドエルタイムを長くできないエンジンでは効果的です。
効果的な利用方法の例
イグニッションコイルを変更できない車両
1. 限界ドエルタイムを超えない範囲でドエルタイムを伸ばす。
2. コイルベンチマークの供給電圧を上げてドエルタイムを計測して設定する。
3. 絶対最大値テストAbsolute Test で、点火コイルの絶対最大値を確認し、ADT.(Absolute Dwell Time)を超えない値にドエルタイムを設定する。
ドエルタイムを変更できない車両
1. コイルの限界ドエルタイムが、ECUの設定ドエルタイムに近く、ACP. (絶対最大コイルパワーTM)の大きいイグニッションコイルを選択する。
2. ドエルタイム固定モードで、車両と同じドエルタイムに設定してRCP. (コイルパワーTM)が多いコイルを使用する。
3. イグナイターや配線ケーブル類を含め、RCP. (コイルパワーTM)が多い組み合わせを使う。
コイルもドエルタイムも変更できない車両(ワンメイクなど指定された品番以外使用できない)
1. AbsoluteTest(絶対仕様テスト)により、ADT.( 限界ドエルタイムTM)の短いイグニッションコイルを探す。
2. Fixed Dwell(ドエルタイム固定モード)で車両と同じドエルタイムに設定し、RCP (コイルパワーTM)が多いコイルを選ぶ。
製品内容
- コイルベンチマーク本体
- 大電流対応 ワニ口クリップ-バナナプラグ変換ケーブル(赤・黒・黄色 3本)
- 点火プラグ用 ワニ口クリップ-バナナプラグケーブル
- 大電流対応 シガーライターDC電源ケーブル
- 説明書一式
自由なコイル電圧を設定しての計測は、容量15A以上の定電圧電源の利用をおすすめします。
取材記事等
G-ワークス 2018年4月号(2月21日発売)に コイルベンチマークの取材記事が掲載されています。
ノーマルコイルやチューニングコイルの能力、コイルの性能比較などの内容です。
計測結果の利用について
仕様や記載内容は、性能向上のため予告無く変更になる場合があります。
画像は製品開発中につき、実際の製品は色やデザインが若干変更される可能性があります。
本説明書を含む製品にはサポート料金は含まれておりませんので、使用方法やデータ利用方法などについてのサポートをおこなっておりません。
数値は一般的な状況下における代表的な値です。 弊社製品の使用により発生した損害や人災などについて、弊社及び関係者は一切の責任を負いません。
本製品を特別に高い品質や信頼性が要求される用途、その故障や誤作動が直接人命を脅かしたり人体に危害を及ぼしたりする恐れのある機器、発火や爆発などの可能性のある機器 (原子力制御機器、航空宇宙機器、輸送機器、交通信号機器、燃焼制御、医療機器、各種安全装置など) には絶対に使用しないでください。
本品は計測機器です。配線ミスやテスト方法により点火コイルがダメージを受ける可能性がありますので、ご使用やデータのご利用は、ご自分の責任において判断してください。
計測可能なコイルは電流20A以下に限られます。特に大型のコイルでは計測できない可能性があります。
絶対最大仕様テストで問題が発生する場合にはドエルタイム固定モードにてテストしてください。