2010-02-10
イグナイターとは、ECU(エンジンコンピューター)からの信号で点火コイルを駆動するための部品です。
点火コイルは、通電(通常はDC12V)してから一定の時間をおき、切り離した瞬間に高電圧を発生させ、点火プラグに放電させます。
このコイルに通電する、切り離す役割を持つのがイグナイターです。
実際のイグナイター動作は、エンジン点火前のECUからのHI信号(通常は5V前後)により通電し、信号がLO(通常は0V付近)になると通電を停止し、これによりコイルを駆動します。
この通電時間をドエルタイムと呼び、コイルにもよりますが、およそ3mS(0.003秒間)前後です。
点火コイルは切り離した瞬間に二次側(プラグ側)と共に、一次側(イグナイター側)にも数百ボルトの高電圧を発生するため、高電圧に耐えられるIGBTというトランジスターとFET(電界効果トランジスタ)を組み合わせた半導体を使用しています。
R32以降のRBエンジンなど、ダイレクトイグニッション車のほとんどでイグナイターが使用されています。
点火のための電流は、下記のような経路を流れます。
バッテリーの+端子 → 配線 → ヒューズ → 配線 → (リレー) → 配線 → 点火コイル → 配線 → イグナイター → 配線 → バッテリーの-端子
強い点火を得るためには、できるだけ短時間で多くの電流をコイルに流す事が必要です。
電気回路としてはトータルでの効率が求められますが、特にイグナイターは重要な役割を持っています。
電気に関連するアフターパーツでアーシングやコンデンサーチューンなどがありますが、主に次のような効果を狙っています。
アーシング イグナイターのアースからバッテリーの-端子間の抵抗の削減。
コンデンサーチューン バッテリー電圧の安定 (ノイス分が吸収されて僅かに電圧が上がる場合がある)
例えば、アーシングによる効果はほとんどの場合0.1V以下ですが、イグナイターは単独で1Vから3V以上の電圧降下を発生させる部品です。つまり、イグナイターを改善するだけで数ボルト分(アーシングの数十倍から数百倍)の電圧降下を改善することができます。
ほとんどの車両ではコストダウンされた純正のイグナイターが使われているため、イグナイターを改善すると点火系統で劇的な効果が得られます。
高性能イグナイターを使うだけで、多くの場合で空燃比にも影響を与えるほど燃焼効率の向上が可能で、パワーアップや燃費の向上が可能になります。
「大電流が流れるように低抵抗」で、「耐久性のために大容量で高耐電圧」なイグナイターが大きな効果を発揮します。